育児くらしのハンドメイド

妻になる人へのプレゼント


 僕は多分2006年秋に初めての結婚をする。結婚には、色々と準備や贈り物があるらしい。よく分からない中で、「結婚指輪」を用意しなければならないことくらいは知っていた。二人でShopへ行けば、手ごろな値段で買えると思うのだが、それだけでは何だかつまらない。思案中に、以前、文房具屋さんで「アートクレイシルバー スターターキット」というのを彼女が欲しがっていたのを思い出した。簡単にオリジナル銀製品が作れるというもので、材料は粘土。粘土は、「すみなすくん」を創作したときに経験していたので行けるかもしれない。そんなこんなで、結婚指輪を自分で作ってみようと思い、彼女に相談・・・(相談中)・・・一発OK!!
 
   
キットの主な中身
  材料:粘土 8g
 道具:リング棒(?)、ヤスリ、磨き道具


キットの中身
   
さぁ!作るぞ!!
 まず、説明書を熟読。写真をメインに解説しているので、各工程がイメージしやすい。簡単な流れを説明すると、「粘土をコネル → 棒に巻く → 乾かす → 削る → 焼成 → 磨く」。各工程を見ると、「削る」工程が一番難しそうだ。時間は、「乾かす」工程を自然乾燥にしようと思うから(説明書では、ドライヤーで乾燥させると記載されている)、少なくとも2日間に渡った3時間程度だろう。とにかくやってみよう!
   
<粘土をこねる>
 紙粘土と違って、扱いにくいというのが第一印象。粘土に含ませる水分の割合が難しい。焼き物の土に似ているのかな?考えていた以上に、手に土がつく。悪戦苦闘の末、何とか思った感じに仕上がった。しかし、これがホントに銀になるのか??


彼女がコネル
   
<棒に巻く>
 「この作業は簡単簡単♪」と思っていたら間違いだった。この工程は、棒に粘土を直接巻きつけるのではなく、棒に紙を巻いて、その上に粘土をつける。この巻く作業を簡単にやりすぎた。粘土を巻いた後に気づいたので、粘土が幾分乾燥気味に・・・。工程1に戻る。

 気を取り直して、工程1を終了。今度は失敗しないように、紙をらせん状に巻いていく。最初から、こうすればよかった! 

彼女が巻く 

うまく巻けた!!
   
<乾かす>
 この作業は、自然乾燥に任せた。ドライヤーを使えば、45分必要らしい・・・が、こう見えて結構多忙なので「45分という時間がもったいない」と思った。とりあえず、今日は寝よう。

(写真は、彼女が作っているときのもの)


はよぅ 乾け
   
<削る>
 棒から乾燥した粘土を離して、削る作業をする。粘土をケチったせいか、持った感じが弱々しい。「これを削って大丈夫なのか?」と思って、削ること1時間30分・・・。意外にうまく削れる!「これなら、あと10分程度で終わるなぁ・・・」と思ったその刹那・・・∑( ̄□ ̄;)ナント!!

 指輪が4つに割れてしまった・・・嗚呼・・・無常・・・悪あがきで、修復を試みるも強力にくっつくハズもなし。しぶしぶ、工程1に戻る。


    ・・・翌日・・・

 気を取り直して、工程1から乾燥まで終わった。予定では、もう終わっているはずなのに、今日で3日目だ。「絶対、今日で終わらせちゃる!」。失敗を糧にこの工程の準備は万端。削る作業のために、粘土を8g使って(前回は、4gくらい)、削っている途中に簡単には割れないようにしてある。自分でも、意外と学習能力があると思った。それほど、4つに割れたときはショックだった。もう、あの事故には遭いたくない。
 
 とにかく、慎重に削った。ただひたすら削った。吉田拓郎の「結婚しようよ となりの町のお嬢さん」、加山雄三の「お嫁においで 君といつまでも」、さまださしの「関白宣言」などを口ずさみながら、削りに削って気がつけば寅の刻。子の刻から始めているので、3時間以上削ったことになる。う~ん・・・眠いはずだ( ・д⊂ヽ゛ 一応、完成!!

 今日で作業を始めて5日目。仕事が終わって、指輪を改めてチェック。時間は、昨日と同じく子の刻。多分、自分の小指の太さが彼女の薬指と同じくらい。自分の小指にはめてみた。「何か、厚みがあるなぁ」と思った後には、また昨日のように削り始めていた。スケールで測ったら厚みは4mm。説明書には、焼成で10%程度縮むと書いてある。計算すると、このままの状態で焼成すると3.6mmとなるが、3.6mmでも太いように思った。できあがりは、少なくとも3mmくらいにしなければ女性の華奢な指にしっくりこないだろう。逆算すると、3.3mmまで削らんといかん。ここから、僕の0.7mmの戦いが始まった。
 

慎重に・・・
 大げさに書いているが、実際、戦いであった。削る作業は、削り粉が出る。そのため、削る作業はパソコンなどの機器がある机上ではできない。だから、ベランダに出て削る訳だ。今の季節は、蚊が飛ぶ。びゅんびゅんだ!!ビールを呑んだ僕の体からは、蚊が集まってくるには充分足りる二酸化炭素がでている(酒を呑みながら作業するなよ!って言われるかもしれないが、33歳のおっさんに酒を呑むなというほうが無茶!!)。おかげで、足を中心に20箇所くらい蚊にやられた。あとでこの足を彼女に見せたら、「昭和初期の悪童のような足だ!」と言われた。まぁ、よい・・・苦しゅうないぞ・・・すべては、あんたのためだからな (-。-)y-゜゜゜

 そんなこんなで、5日目の今日は3時間削った。この工程だけで累計10時間以上かかったが、一応の完成をみた。おっと忘れていた!リングの内側に、メッセージ的なもの(?)を入れないといけない
(何て書いたかはヒ・ミ・ツ ← 気色悪!)。この作業を1時間程度で終わらせて、今日はぐっすり眠る。


 朝起きて、リングをみる。「手作り感丸出し!」思わず独り言。決して上手ではない。これをブランドで武装したような女性に贈ったら、きっとケナサレルと思う。でも、その対極に居る女性の彼女はキット気に入ると思う。ということで、「削る」工程は終了!!!
   
<焼成>
 あとは焼いて磨くだけ。とはいえ、一応、彼女にみせて反応を確かめたい。この辺が妙に慎重。反応をあれこれイメージして、いい訳も容易しておく。ズルイと言われるかも知れないが、僕は要領が良いと理解して、自分を納得させている。

 彼女が僕の家に来た。土曜の昼に、車で1時間の所をはるばる来た。早速、指輪をみせる。反応は、あまり良くない。「少し大きい」だの「細かいキズのようなものがある」だの言う。この時に用意していた言葉たちが役にたつ。「少し大きいのは、焼成したら縮むんだ!」「細かいキズは、手作りの証だ!」・・・なんだか小学生の言い訳のよう・・・だけど必死。だって、あの削る作業をもう一度やると思うと、必死に説得しますよ。あなただって。

 約束では、僕が彼女の指輪を作って、彼女が僕の指輪を作ることになっていた。なかなか良い顔をしない彼女に「今そんなこと言ってるけど、自分で作ってみたら分かるよ」「とりあえず、焼いてみようよ」など言ったら、とりあえず「私も作ってみる」「そして、焼いてみて」ということになった。
 


燃えろ!燃えろ!
 一応、指輪作成では、僕が先輩なので各工程のPointをレクチャー。普段から布を使った作品を手がける彼女には、粘土をこねる工程1で、その難しさが分かったらしい。彼女の感がよいのか、僕の教え方がよいのか、30分程度で「巻く」工程まで終了。いよいよ、僕が彼女のために作った指輪の焼成をする。説明書どおりに段取りを行い、指輪をセット。この作業が失敗したら、すべてがパァ。ドキドキしながら待つこと7分。ど~ってことない、簡単にできた。20分冷ますと書いてあるので、念のため20分間待つことにした。できあがりで気になるのが、ホントに10%縮んでいるのか?指輪のサイズ表に照らすと、ピッタリ11号!目論みどおり10%縮んでいる!「やったぁ~!!」ふたりで喜んだ!「でも、ぜんぜん銀の光沢がないなぁ」と独り言をいうと、すかさず彼女が「そりゃぁ~磨かんと光らんわぁ」とひと言。そりゃぁ、そーだわなぁ。最終工程の「磨き」をすっかり忘れていた。
   
<磨き>
 いよいよ最終工程。キットに入っている布に薬品を塗って少し磨いてみる。すると、銀の光沢が!!テンションが一気に上がって、製作中の指輪をドライヤーで乾かしている彼女にみせると、彼女のテンションも一気に上がった。はやる気を抑えながら、磨き作業を続けて全体がピッカリ!改めて彼女にみせると、先ほどの不満が裏山の向こうに飛んでいったように喜び一色。マージャンで例えるなら、一気通貫(喜びが突き抜けた感じ)かチートイツ(ニコニコしている)だ!(何のことやら???)


ピッカリ♪
   
できあがり
 できあがりの作品は、粘土の継ぎ目が残っていてキズのようにみえる。でもこれは、僕の言葉でいうところの、「手作り感丸出し」の範疇。世界でひとつだけの「僕が彼女のために作った指輪」が完成した。ただ、ひとつの問題は、11号だと思っていた彼女の指は、実は10号であったこと。ちゃんと測ったのになぁ?1週間後に彼女の指が縮んだとしか思えん!そういえば、指を測った時の彼女は病み上がりだった。指がむくんでいたかもしれんが、刻すでに遅し・・・。これも「手作り感丸出し」で納得させよう。何より彼女がメチャメチャ気に入ってくれている。

完成作品

できあがり!!!
  
 結婚を控えている世のカップルに、結婚指輪を自分たちで作ることをお勧めします。これが普通になったらジュエリーショップは困るだろうなぁ。